H-DモデルやR-Oモデルなどを3次元非線形解析の場合に適用できるか?


 ご存知ですか?H-DモデルやR-Oモデルなどは実は1次元のみのモデルです。これらの1次元モデルを(弾塑性ではない方法で)3次元解析に適用する解析手法は近似解しか得られません。どの程度近似できるかは,検証が非常に難しいです。理論的な裏付けがなく,客観性の原理を満足していません。

H-DやR-Oなどの1次元モデルで厳密に表現できるのが(a)の場合のみです。

H-DやR-Oなどの1次元モデルを(弾塑性ではない方法で)2次元または3次元解析に適用する場合は,(b)のような斜めせん断や,(c)のような多方向せん断を正確に表現できません。どの程度近似できるかは,検証が難しいのです。

 
 

 1方向のせん断のみが卓越し,かつ地盤条件が単純な場合(ほぼ水平成層で構造物がない場合)は,誤差が少ないかもしれませんが,構造物が混在する場合や多方向入力の場合や地盤条件が少し複雑になった場合は,誤差が大きく出ます。

 厳密に3次元非線形解析ができるのは,弾塑性理論に基づく方法のみです。最近,弾塑性理論の発展とコンピューター能力の向上によって,厳密な弾塑性理論に基づく非線形地震応答解析ができるようになりました。厳密解の弾塑性理論に基づく解析手法を用いるか,それとも近似解の解析手法を使用するか,答えは難しくないはずです。


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